国民的大人気・小泉進次郎総理大臣はこの先、誕生するのか?【適菜収】
【隔週連載】だから何度も言ったのに 第69回
■進次郎の心に響く名言
私は当初から進次郎に注目していた。党内では客寄せパンダとして扱われていたが、発言がすべて面白いので、私の中では出オチ芸人のカテゴリーに入っていた。私が好きな進次郎の言葉ベスト10を挙げておく。
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【第10位】「今のままではいけないと思います。だからこそ、日本は今のままではいけないと思っている」。トートロジー(同義語反復)の数々もイラク復興支援特措法の定義を巡って「自衛隊の活動しているところが非戦闘地域」と暴言を吐いた父親の純一郎と同じ頭の構造。
【第9位】「私の中で30年後ということを考えた時に、30年後の自分は何歳かなとあの発災直後から考えていました」。30年後の自分の年齢は今の年齢に30を足せばいいだけである。
【第8位】「必要なことをやるべき」。「やるべき」だから必要なのである。要するに何も言っていない。
【第7位】「驚きはない。受賞理由を聞いて私が演説で発信した効果だと思った。的確に国際社会に発信できていると思う」。化石賞(気候変動対策を後退させる言動を行なった国に与える不名誉な賞)をもらったことについてのコメント。
【第6位】「気候変動問題への取り組みは、楽しく、カッコよく、そしてセクシーであるべきだ」。チン次郎と呼ばれる所以である。
【第5位】「反省しているんです。ただ、これは私の問題だと思うが、反省をしていると言いながら、反省をしている色が見えない、というご指摘は、私自身の問題だと反省をしている」。こいつに投票したやつも深く反省したほうがいい。
【第4位】「プラスチックの原料って石油なんですよ。意外に知られていないですけど」「色もにおいもないから分からないと思うんですけど、石油って化石燃料なんです」。小学校で習ったよね。
【第3位】「自分でスプーンを持ち歩く人が増えていく。ライフスタイルが変わるのは間違いない」。レジ袋有料化だけでは物足りなかったのか。
【第2位】「オレ、今、食べてるって感じ」。試食したときの感想。
【第1位】「退院後、リモートワークができてるおかげで、公務もリモートでできるものができたというのは、リモートワークのおかげです」。こうした発言は狙ってできるものではない。すがすがしいまでの天性のバカである。
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進次郎が鼻息を荒くして日本変革への決意を語ったことがあった。何を変えるかというと、衆議院でマイボトルが持ち込み禁止になっていることだと言う。頭がクラクラ。
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気候行動サミット中に外国人記者が「石炭は温暖化の大きな原因だが、脱石炭火力発電に向けて今後どうしますか?」と質問すると、一言「減らす……」。記者が「どうやって?」と問うと、黙りこくり、しばらくして「私は大臣に先週なったばかりです」。総理になったら同じことをやるかもしれない。「私は総理に先週なったばかりです」と。